終戦の日

 現在、平和を享受している我々はなんと有難いことなんだろう。不況やデフレと言われ、世の中は負の印象が強いが、戦時下に比べればどれだけ幸せであろうか。
 昨年アメリカにいた時に、人びとの幸福度調査という記事を見た。それによると、戦後GDPや技術の発展が目覚しく進展しているというのに、人びとが感じる幸福度は下がっているという。我々は、手の届かないものや憧れのものが自分の手に出来た時、とても嬉しく思う。つまり、幸福に感じるのだ。しかし、それを一旦手にしてしまうと、その状態が当たり前となり、有難さを忘れてしまうようである。例えば、空気がないと生きていけないが、空気を求めて探し歩くような人はいない。平和もそうである。戦後、われわれ日本人は平和を享受してきた。しかしながら、世界中を見渡せば(戦争が終わったという意味での)「戦後」はまだなのかも知れない。
 したがって、今日と言う日を忘れず、世界中に恒久平和がもたらさせる日が来るよう心から祈念したい。